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耐震診断
耐震診断のみを行っても
意味は無く、診断に基づく
補強設計を行う事が大事です

 
 
H13年の建築基準法の改正に伴い最近、木造住宅の耐震補強工事や耐震診断の依頼が増えてきました ここで難しいのは
これだけ補強すれば大丈夫と提案した内容がコスト制限で必ず補強可能という 場合は
少ないということです 予算内での補強工事にはやはり限度があり補強これで大丈夫とは自信 をもって言えず
前の状態よりは良くなりましたという返事になるジレンマがあります
診断した側としては状態を把握しているだけに難しい問題です 補助金の制度もまだまだ十分なものではありません
最近では増築の確認申請が既設部分の構造基準が検査され現基準を満たしていないと許可がもらえませんが基準以前の
まま使用を続けている建物のほうが多いのですから根本的な解決にはならない と思います 
行政のもっと明確な方針、指導、十分な補助金制度が必要なのが現状です
ここで実際に耐震診断を行いその結果にもとづいて補強工事を行った例を紹介します
 
まず最初の作業は耐震診断です 

 
写真1
依頼の木造2階建て住宅です
昭和40年代に建てられかなり老朽化していました 
正直建て替えも視野にいれた調査でしたが
「出来れば思い出のある建物なので補強優先」
がクライアントの要望でした

 
正確な診断を行う為には現状のしっかり把握することであるので現在の建物の図面を意匠図一部と
全ての構造図を作成にかかりました
昔の建物にも関わらず図面は一部存在してましたが必ずしも図面どおりという保証は無いですし 特に床下や小屋裏、
必要であれば一部撤去してでも正確な現況図面が必要となります写真2.3
 

  写真2.3
 
このように調査して現況図面を正確に作成しこの図面を元に以下のチェックをおこないます

1. 実際の筋違いの位置を再確認して現在の壁量基準値適合及び偏芯率の確認
2. 土台、梁せいの確認
3. 地盤、基礎の強度及び形状等の確認
※現在は構造計算が木造住宅でも行われることが多くなり上記に関しては弊社に於いても必須事項で手計算
又は専用の構造計算ソフトで行っています
4. 建物の傾き これらを検討した結果は補強方法及び工事費を踏まえて図面と写真でクライアントに報告します
(下図参照)


 
大きな問題のある2項目を
表示しました
チェック項目の3と4です
 

1. 実際の筋違いの位置を再確認して現在の壁量基準値適合及び偏芯率の確認
調査の結果は壁量、偏芯率ともに基準を満たしておらずクライアント保管図面とも整合性がありませんでした
構造的には大きな問題ですが年代を考えると予想できることで対応方法も改修工事とあわせて面材耐壁を使用
してバランス良く配置して壁量を確保する提案をしました 
当然柱頭、柱脚の金物も有りませんので計算 により引き抜きの生じる箇所はホールダウン金物、
スリムプレート等で補強します

2. 土台、梁せいの確認 土台は床下の換気状態が良く湿気による影響は見られません 
梁せいは一部小さい部材が使用されていました ので2重梁で補強が必要でした

3. 地盤、基礎の強度及び形状等の確認 この項目で大きな問題がありました 
地盤はあまり良い地盤ではありませんが杭が打ち込まれていました ので主要部分は問題ありませんが
下屋部分は施工されていませんでしたので図面左側3尺の部分が 沈下して基礎が折れてしまっていました 
本体側の基礎も無筋コンクリートであるのと 無作為に設けられた通風孔のため基礎が一体となっておらず
これではせっかくの杭に建物荷重が伝わらず 基礎自体非常にもろい状態であり

この影響で4の建物が一部で傾きを生じていた (図面参照;赤ライン部分)

基礎の補強これが一番重要な補強ポイントと考える 1の金物補強をするにしても基礎がこの状態では
意味が無くなるからである
以上の診断結果をクライアントの方に説明し実際の補強方法をコストを検討しながら提案していきます


 
  耐震補強工事

今回はリフォームも検討されていましたので1階を改修出来ますので壁量確保の為の面材耐力壁の設置
基礎の鉄筋コンクリート造で補強及び悪影響を出しそうな下屋の撤去を決めました 以下基礎補強工事写真
 





 
  1階壁補強及び下屋撤去
 
もう一つ提案として地震対策の一つとして屋根を瓦から軽い金属屋根への葺き替えを提案しましたが
ここまではさすがに予算的に難しいと断念しました


 
屋根変更案

壁量検討図1階

壁量検討図2階
  以上が概要になりますが今回のケースでは非常に有効な補強工事が行われたと思います